2月4日8時16分配信 フジサンケイ ビジネスアイ

 「リスクをもう少し取るべきだ」「国民の『命綱』だから慎重に」-。

 国民年金と厚生年金の運用方法をめぐり、霞が関で火花が散っている。政府は運用が悪化した公的年金の見直しを進めているが、積極運用を促す総務省と、堅実運用にこだわる厚労省が対立。今後約1年をかけて論議を取りまとめるが、年金財政の深刻化が懸念される中、十分な給付を維持するための改革は容易ではなさそうだ。

 ◆2年連続の減少

 運用のあり方を見直す引き金となったのは、運用成績の悪化が際立つからだ。2008年度の年金積立金の市場運用損は、過去最大の9兆6670億円に上り、2年連続の減少だ。年金給付の財源となる公的年金の積立金約120兆円は、厚労省所管の「年金積立金管理運用独立行政法人」が運用している。運用資金の約7割を国債など国内債券に配分する「安定運用」が基本方針だが、金融危機以降のマーケット環境の低迷が響いている。

 運用利回りも過去最低のマイナス10.03%に落ち込んだ。厚労省の将来試算では、長期的に経済回復を果たし、利回り4.1%のプラス運用となるシナリオを描く。だが、運用実績の低迷が続けば、将来の年金給付水準の引き下げなど、年金財政に影響を与える恐れもある。

 ◆温度差くっきり

 青くなった政府は昨年11月に運用方法などを見直す検討会を設けた。長妻昭厚労相ら政務三役に加え、独立行政法人の行政評価を担当する総務省も原口一博総務相らが参加するが、運用方法をめぐる両省の温度差が鮮明になっている。

 「資産規模が大きすぎ、非効率」(原口総務相)とみる総務省側は、国債中心の低リスク運用と、株式などで積極的な収益確保を狙う運用に分ける年金資産の「分割運用」案を検討会で提示。2日の閣僚懇談会でも議論を提起し、「投資対象を見直し、新興国や成長分野への投資も考えるべきだとの認識が示された」と手応えを口にする。運用受託先機関の選定方法や、積立金の管理運営組織の見直しも提案している。

 一方、積立金の損失リスクを極力抑え、積立金を「守る」ことを重視する厚労省は安全運用の必要性を説く。08年度の運用損は、株式による運用比率が2割程度と低い割合だったため、最小限に抑制できたとの見方もある。このため長浜博行副大臣は「積立金の運用は巨額で市場への影響も大きい。慎重に議論したい」と総務省側にくぎを刺す。

 学習院大の鈴木亘教授(社会保障論)は「運用利回りの目標自体の引き下げをまず検討し、運用方法の選択や運用機関の決定など、国民不在で行われてきた現状も変えていく必要がある」と話している。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100203-00000024-fsi-bus_all
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