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5月27日14時58分配信 産経新聞

 介護が必要となったときに備える民間の介護保険が注目を集めている。今年満10年を迎えた公的介護保険より歴史が古く、受け取り方や支払い要件などは保険会社によってさまざま。最近は公的な要介護認定と連動して支払われる商品もある。長生きに備える介護保険の“入り時”はいつ? そして、どんなことをカバーできるのだろう。(牛田久美)

 ◆予想以上の費用

 半身まひの妻を自宅で介護する東京都内の50代会社員、吉田実さん=仮名=は今月も支払い明細書を見てため息をついた。

 「公的介護保険で月約3万円を支払えば、満足なサービスを受けられると思っていた」。ところが、実際は看護師や療法士らの訪問などで予想以上に費用がかかる。妻は要介護4で、公的介護保険の限度額は30万6千円(自己負担額は1割)。限度額内に収めるために、「看護師が1回多く来訪する週はヘルパーを2回分削らなければなりません」。

 ヘルパーを手配できても時間延長すれば自費。通院の介護タクシーも自費。

 「結局、毎月約15万円を介護のために払っている。医療費もかかる。仕事を続けたかったが、介護してくれる人を限度額内で確保するのは難しかったうえ、週末は私ひとりで介護し、疲れが取れないまま月曜に出社する日々に疲れ果て、仕事もあきらめました」

 ◆なかなか普及せず

 生命保険文化センターの平成21年度全国実態調査では、要介護状態になったときに必要とされる介護費は月平均18万円。民間の介護保険は自己負担を軽くする方法として注目を集めている。

 ところが、ファイナンシャル・プランナー、竹下さくらさん(なごみFP事務所)によると、注目度が高いにもかかわらず、なかなか普及していないという。

 「若いころは生命保険、医療保険が優先。住宅ローンもある。50代になると子供の学費がピークを迎えて家計を圧迫する。子供が成人すると、老後資金の貯蓄が気になり始める。いわゆる“入り時”がない保険です」

 保険は住宅の次に高い買い物。決定の主導権を持つ男性が、いずれ自分が妻を介護する可能性があることに気付いていないことも普及が進まない原因だ。

 「奥さんが倒れたとき、初めて“内助の功”が金額になって迫ってくる。お金がない、疲れた、精神的にも苦しいとなると大変です。男性は『自分は介護される立場だ』と思いがちですが、そうではなく、もし自分が倒れたら奥さんが困るだろうという視点も持って備えてほしい」

 生命保険の介護特約は、本契約が終わると同時に終了するので注意が必要。死亡保障を介護保障に変更できる特約もある。

 ◆精神的にも安心

 新規加入を検討中の人に竹下さんが勧めるのは、退職金のうち100万~200万円をまとめて支払って加入する方法だ。

 「老後の生活資金を貯蓄するとき、介護を想定して別に準備する人はなかなかいません。想定外の出費で生活資金を取り崩すのは大変なストレス。介護資金は生活資金と切り分けて考えたいもの」

 竹下さんは「年齢を重ねるごとに確実に介護のリスクも上がる。きちんと備え、保険を利用するにしろ貯蓄するにしろ、介護に備えたファンド(基金)を持っていると精神的に安心」と話し、介護を視野に入れた老後の計画の必要性を強調している。

 ■60歳で支払いを完了し、一生涯保障があるケース

 要介護状態になったとき、一時金100万円、年金60万円(月5万円)が支払われる場合、仮に10年間介護をすると計700万円の保険金を受け取ることができる。払込額は約200万円。要介護状態になると分かっていれば安い。

 一方、要介護状態にならないかもしれないと考え、保険料支払いの額を貯蓄する方法もある。その場合は、仮に10年間に毎月6千円を積み立てると、10年間に72万円となる(男性の保険料は毎月約3千~6千円、女性約4千~8千円として試算)。

 ≪民間の介護保険≫

 介護が必要になったときの備えで、生命保険会社、損害保険会社など十数社が販売している。公的介護保険より歴史が長く、支払い要件などはさまざま。おおむね要介護度4~5に対応している。公的保険(原則として65歳以上)と異なり、若い人も対象となる。現金で支払われるのがポイントで、利用者は必要なサービスを選ぶことができる。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100527-00000565-san-soci
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2010.05.29 Sat l 年金 l top ▲
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