産経新聞 12月22日(水)10時22分配信

 後期高齢者医療制度を廃止した後の新制度の全体像が見えてきた。厚生労働省の有識者会議が20日に最終報告をまとめており、政府は平成25年3月からの制度スタートを目指す。新制度への移行が実現すれば保険料や窓口負担はどうなるのか。保険料が無料になったり、窓口負担が2倍になったりするなど、人によってばらつきが出そうだ。(杉本康士)

 新制度では、75歳以上の約1400万人のうち、8割が国民健康保険(国保)に移行する。残る2割はサラリーマンの扶養家族や75歳以上であっても現役の会社員の人などで、これらの人々は企業の健康保険組合などに加入する。現行制度導入時に批判の的となった年金からの天引きは、希望者のみを対象に継続する。窓口負担は引き続き1割だ。

 国保に移行するのは無職や自営業者ら。平均保険料(現在年額6万3千円)の伸び率は現役世代を下回るように調整する。現行制度のままであれば37年度の保険料は10万1千円となるのに対し、新制度では9万5千円に抑えられる。また、これまでは個人単位で保険料を納めていたが、被扶養者であれば世帯主にまとめて払ってもらえる方式になる。

 現行制度では保険料の上限は個人単位で年間50万円だったが、新制度スタート時は世帯単位で63万円となり、医療費の伸びに応じて段階的に引き上げられる。さらに、低所得者を対象とした最大9割の保険料軽減措置も縮小する。年金収入が80万円以下の人の月額保険料は350円から1050円に膨らむ。

 75歳以上の国保は74歳以下と切り離して別勘定とし、都道府県が運営する。財政基盤が弱い市町村では負担が軽くなる一方、保険料を低く抑えている市町村では保険料が上がる。

 負担がより軽くなるケースが出てくるのが、健保組合などに移行する人たちだ。75歳を過ぎても会社で働く人は、企業が保険料を折半する。さらに、たとえば夫や息子に扶養されている人は保険料がゼロになり、最も恵まれた立場といえそうだ。

 75歳以上の負担が軽くなる一方、25年3月以降に70歳の誕生日を迎える人にとっては不利な仕組みだ。70~74歳の窓口負担は特例措置として1割だったが、2割に引き上げられるからだ。

 だが、こうした措置をとっても、必要な財源は確保できない。それを穴埋めするのが現役世代だ。75歳以上の医療費のうち、4割は現役世代の支援金でまかなわれているが、収入によって支援金を算出する方法に全面的に改める。これにより、高所得者が多い大企業のサラリーマンや公務員は保険料が割高になる。

 健保組合の保険料は年額19万5千円から37年度には28万9千円、公務員が加入する共済組合は21万7千円から33万円になり、現行制度よりも伸び幅が2千~1万3千円上回る。逆に、中小企業のサラリーマンが加入する協会けんぽや現役世代の国保は、平均収入が比較的低いため、伸び幅が抑えられる見通しだ。

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 ■四面楚歌で先送りも

 厚労省は来年の通常国会に関連法案を提出する方針だったが、民主党内には新制度への反発が根強い。このため政府・与党は法案提出の見送りも検討している。ねじれ国会では成立の見通しが立たず、厚労省内には現行の後期高齢者医療制度が継続する可能性もあるとの見方まである。

 政府への党の提言では、70~74歳の窓口負担の引き上げなど高齢者の負担増に反対するとともに、法案提出を慎重に判断するよう求めた。来年4月の統一地方選を念頭に負担増を避けたい議員から「来秋の臨時国会以降でも間に合う」との意見が相次いだからだ。

 現行制度を導入した自民、公明両党も法案に反対する公算が大きい。また、75歳以上の国保を都道府県運営に移行する案に対しては、全国知事会が反対姿勢を崩しておらず、新制度は四面楚歌(そか)の状態だ。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101222-00000519-san-soci
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