産経新聞 1月30日(日)21時49分配信

 菅直人首相が「政治生命を懸ける」と意気込む社会保障・税の一体改革。政府は4月までに社会保障制度の見直し案をまとめる方針だが、その根幹である年金制度改革に関し、基礎年金部分の社会保険方式の踏襲を目指す与謝野馨経済財政担当相と、全額税方式を主張してきた民主党との溝は大きい。先の衆院選マニフェスト(政権公約)見直し問題にもからむだけに軋轢(あつれき)はさらに広がる可能性がある。(杉本康士)

 「藤井裕久官房副長官から『民主党も基本は社会保険方式なんだ』とうかがっています」

 与謝野氏は29日の日本テレビ報道番組で藤井氏との協議内容をわざわざ明かし、自らの考えと民主党内の意見に齟齬(そご)がないことを強調した。逆に言えば社会保険方式は絶対に譲らないとの意思表示でもある。

 だが、民主党は先の衆院選マニフェストで、月額7万円の最低保障年金と所得比例年金を組み合わせた年金改革案を掲げた。最低保障年金は全額税方式にするため、国民年金を含む基礎年金は将来全廃される。

 制度移行の際にこれまで積み立てた基礎年金をどう扱うかの詳細が決まっていないため、制度導入時は大混乱となる可能性がある。

 与謝野氏が社会保険方式にこだわる理由はここにある。入閣した14日に「社会保険方式の枠内で改革することが合理的だ」と述べ、全額税方式を批判。周囲には「社会保障改革は旧制度と新制度のつなぎ目をきれいにしないと国民が納得しない」と漏らす。

 民主党案にはもう一つ問題がある。全額税方式を導入するには莫大(ばくだい)な財源が必要で、政府の社会保障国民会議の試算では消費税率は最大19%となる見通しだ。

 民主党の最低保障年金制度は、現役時代の所得が一定以上の人への支給を減額し、高所得者には支給しないとしているが、減額対象者の所得水準は一切明示されていない。平成19年の参院選で小沢一郎代表(当時)は生涯平均年収600万円以上から減額し、1200万円以上で支給を打ち切る考えを示したが、民主党はマニフェストへの記載を見送った。

 対立の火種はこれだけではない。与謝野氏は、民主党案が掲げる国民年金、厚生年金、共済年金などの一元化にも「制度移行に40年もかかり現実性の問題がある」と疑問を呈している。新旧制度の併存期は年金受給額の計算が複雑となり、事務処理上の混乱を招く恐れもあるからだ。

 このため、与謝野氏は、現行制度の修正を念頭に置く。基礎年金(月額約6万6千円)と現役時代に納めた保険料に比例する所得比例の2階建ての大枠は維持。現役時代に保険料を25年以上納めなければ基礎年金の受給額がゼロになる問題など無年金・低年金対策を柱にする考えだ。

 ただ、これでは自民党政権の年金改革とほぼ変わらない。厚生労働省は4月までに年金制度改革の素案をまとめ、政府の集中検討会議(議長・首相)で政府案を決定する運びとなっている。議長補佐を務める与謝野氏主導で進めば、自民党は「マニフェスト見直しを認め、国民に信を問うべきだ」として徹底追及する公算が大きい。一方、民主党の支持母体である連合は基礎年金の全額税方式化を求めており、党内の足並みはますます乱れかねない。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110130-00000563-san-pol
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2011.02.02 Wed l 年金 l top ▲