現代ビジネス 3月20日(日)7時5分配信

 夫が会社員や公務員として厚生年金や共済年金に入っていれば、その専業主婦は保険料を支払わなくても国民年金に加入しているとみなされるのが、「第3号」の仕組み。しかし、夫が定年退職や転職、死亡したり、あるいは離婚したりした場合、妻は保険料の支払いが必要な「第1号被保険者」への変更を本人が届け出る必要がある。だが、この制度を知らず、または変更を忘れているケースが100万件以上にのぼるというのだ。変更しなかった妻は、保険料未納の期間に応じて年金が減額されたり、無年金になったりする。

 実は、旧社会保険庁は以前から切り替え漏れの存在に気づいていた。それなのに、国民からの申請がない限り知らんぷりという「お上意識」にあぐらをかいて、届け出の重要性を積極的にPRしてこなかった。この責任は重い。

さて、混迷はさらに深まる。民主党政権になって「ミスター年金」こと長妻昭大臣時代の厚労省政務三役が決めた救済策が原因だ。届け出を忘れた場合でも、直近2年分の保険料を支払えば、それ以前の未納分は不問に付すという内容だ。「運用3号」と名付けられたこの救済策は、1月30日現在で2331人に適用された。

 これに噛みついたのが、総務省の年金業務監視委員会である。「正しく届け出た結果、減額されたり無年金になったりした人もいるはず。切り替えなかった人を救済すれば、今後まともに届ける意欲がなくなる」というのが理由だ。

 救済と言えば聞こえはいいが、この策では真面目に払った人の保険料や年金に投入されている税金を、未納者のために流用しているとも言える不公平な話になる。しかも、法改正ではなく、厚労省の課長通達という簡便な手続きで救済策を決めたことにも批判の矛先が向く。

 予算委員会で片山善博総務相は「不公平感があり、法的にも問題がある」と答弁し、とうとう細川律夫厚労相は当分の間、手続きを凍結すると表明した。今後は、救済策決定当時に厚労副大臣だった細川氏の責任問題も野党は追及する構えで、解決までには時間がかかるかもしれない。

 それにしても、年金管理はなぜこれほど杜撰なのか。旧社保庁が公務員労組の牙城で、「キーボードを45分間操作したら15分休憩」などの民間ではあり得ない、ゆるゆるの労働環境に甘えていたことも一因だろう。また、年金記録を政府が国民に定期的にフィードバックしてこなかったこと、国民の側も年金が自分の財産であるという意識が薄く、政府に任せっきりだったことにも問題はある。

 だが、民主党政権の手続きが安易だったことは指摘しておかなければならない。「被害者救済」を早急に行うべきなのは確かだし、課長通達は行政機関の裁量権の範囲と見ることもできよう。しかし、行政の不手際を謝罪したうえで、未納分をさかのぼって収められるように国民年金法を改正すれば解決する話だ。野党の協力も得られる案件だろう。

 民主党は誰にでもいい顔をしたがるが、正直者が馬鹿を見たり、おかしな依怙贔屓になったりすることを、行政は絶対にやってはいけない。こんな不公平なことをする一方で、社会保障のために増税しようとするのは道理に合わない。

 加えて、年金記録問題を掘り起こした「政権交代の最大の功労者」長妻氏にも、批判の矢が向く。民主党にとっては、痛手だろう。

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20110320-00000001-gendaibiz-pol
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2011.03.20 Sun l 年金 l top ▲