読売新聞(ヨミドクター) 2月16日(木)10時47分配信

 今の高齢者は、若い世代と比べて、払った保険料に対して格段に多い年金を受け取れる。若者の年金不信の一因が、この「世代間格差」だ。

 厚生労働省の試算では、標準的なサラリーマン世帯の場合、今の72歳(1940年生まれ)は生涯を通じて払った保険料の6・5倍の年金を受け取る。これに対し、32歳(1980年生まれ)以下の世代は2・3倍にとどまる。

 なぜ、格差が生じたのか。

 公的年金の保険料は、戦後の経済混乱期に負担能力に応じた低い水準からスタートし、生活に余裕が出るにつれて徐々に引き上げてきた。一方、保険料水準が低かった世代が受給するころには、高度経済成長を経て、年金額もその時代の物価や賃金に合う水準に引き上げられた。このため、今の高齢者は、負担に対する給付の割合が高くなる。

 若い世代は、最初から高い保険料を負担しているが、成長の鈍化で年金額はあまり伸びない。

 問題を深刻にしたのが少子化だ。公的年金は現役世代が払う保険料で、その時点の受給者に給付する「世代間の支え合い」が基本。1人の高齢者を支える現役世代の人数が減れば、負担は重くなる。財政悪化を受け、厚生年金の支給開始が60歳から65歳になることも、格差を大きくした。

 ただし、これを単純な損得論で見るのは適当ではない。

 今の高齢者の現役時代は年金制度が充実しておらず、個人で老齢の親を養うのが一般的だった。また、生活に余裕がない時代、低い保険料率でも負担感は強かったはずだ。

 とは言え、少子高齢化に対応した給付抑制などが遅れ、格差を広げたことも事実。これ以上の拡大は若い世代の年金不信を強め、制度の存続を危うくする。2004年の年金改正で、今の受給者の給付抑制策も導入されたが、デフレ経済を理由に停止されている。早急な実施が求められる。

 格差論議は世代間の対立を招きやすいが、格差の根本的な要因は少子化と経済の低迷だ。その改善こそが最大の解決策であり、真剣に取り組むべきことだ。(林真奈美)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120216-00000301-yomidr-soci
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