フジサンケイ ビジネスアイ 2月29日(水)8時15分配信

 投資顧問会社「AIJ投資顧問」(東京都中央区)が運用委託された年金資金の大半を消失させた問題で、金融庁は28日、AIJの投資運用業者としての登録を取り消す方針を固めた。取り消し処分が出れば、AIJは廃業に追い込まれる。厚生労働省が同日公表した資料では、2010年度末時点でAIJに委託残高があった厚生年金基金や確定給付企業年金は計84基金に上った。加入者数は計53万9650人、受給者数は計34万4299人で、中小企業を中心に計約88万人もの年金試算に影響する可能性が高まった。

 「(年金資金の消失は)きわめて重大だ。あらゆる選択肢を排除せずに対応していく」-。自見庄三郎金融担当相は同日の閣議後会見でこう述べ、AIJの登録取り消しを検討する考えを示した。

 金融庁はAIJが多額の損失が出ているにもかかわらず、高利回りを達成しているとする運用報告書を顧客に提出したり、うそをついて勧誘を行ったりしたことなどを問題視している。証券取引等監視委員会が現在、検査に入っており、金融庁は検査の終了を待って登録取り消しを最終判断する見通しだ。

 重大事態の判明を受け、金融庁は他に同様の問題がないか調べるため、29日にも投資顧問会社263社に対し、金融商品取引法に基づく報告命令を出し、資産の運用状況などを一斉調査する。資産運用の状況やリスクの程度のほか、顧客に対する情報開示などについて、各社に回答を求める。問題があった場合には、立ち入り調査なども実施する方針だ。

 ただ、AIJ投資顧問のように顧客から資産運用の一任を受ける投資運用業者は登録制。金融庁が年1回の事業報告書の提出を求めているほか、証券取引等監視委員会が不定期で検査を実施しているのみだ。監視委の職員数は2011年度末で392人で、検査は年間15件程度しか行っていない。各社の資産運用の実態などを完全に把握できないのが現状といえる。

 このため金融庁は、投資運用業者に対する検査体制を強化する方針。監視の目を行き届かせるため、13年度の定員要求で検査を担当する人員の増強を求める。また、登録制の見直しも含め、業者の報告義務を厳しくすることなども検討する。

 厚労省によると、AIJに委託残高があった厚生年金基金や確定給付企業年金の総資産額は計1兆9109億7300万円で、うちAIJへの委託残高は9.7%に当たる計1852億6500万円だった。AIJへの委託割合は最も大きい基金で56.9%に上る。

 AIJの年金資産は大半が消失しているとみられることから、基金の運営に大きな影響を与える可能性がある。また厚生労働省がガイドラインで定める分散投資によるリスク回避なども十分に実施されておらず、政府の責任も問われそうだ。

 小宮山洋子厚労相は同日の閣議後会見で、厚生年金基金の資産運用に関するガイドラインを見直す方針を発表。有識者の意見を聴くなどして、夏ごろまでに結論を出したい考えだ。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120228-00000025-fsi-bus_all
スポンサーサイト

 ←応援クリックお願いします!


今すぐチェック!
↓↓↓
2012.03.05 Mon l 年金 l top ▲