フジテレビ系(FNN) 5月13日(日)20時37分配信

年金を維持するために、企業が経営破綻する「年金倒産」。今、年金が、会社の屋台骨を揺るがしています。
やめることも続けることも難しいという「厚生年金基金」の苦しい現実や、「年金倒産」について、企業の年金にくわしい企業経営コンサルタント・宮原英臣氏の解説です。

(厚生年金基金をやめるのも難しいというのは、どういうことなのか?)
まず、厚生年金基金と申しますのは、国の厚生年金と、それから会社の企業年金、これを一緒にして運営している、公私混在型の年金制度なんです。
このうち、厚生年金基金のうちの、国の厚生年金を代わって運用している、これを「代行部分」と呼んでいます。
厚生年金基金をやめるときには、この代行部分を、全額、国に返さないといけないんですね。

(その返済が難しいということ?)
はい。その国に返済する金額が、莫大(ばくだい)な額になっているという状況があるんです。
年金というのは、加入者から預かった年金保険料に、運用で得られる運用益、これを上乗せする仕組みなんですけれども、運用益は、実際には、国が想定したものよりも下回ってしまう。
その結果、その差額、損失が膨らんでしまっている。
損失部分がどんどん大きくなってきて、国に返すときに莫大な損失が発生してしまう、こういう事態があるんですね。

実際、どの程度の負担になるのか、代行部分を、20年間にわたって国が想定している5.5%で運用できた場合、500億円になる厚生年金基金のケースを想定すると、内訳は、集めた年金保険料が、およそ270億円、残りの230億円は、上乗せされる運用益のはずだった。
ところが、実際には、この20年間の企業年金の運用利率は平均1.3%だったので、運用益は、およそ40億円にしかならない。
当初見込んだ運用益と比べ、マイナス分の、実に190億円を企業は穴埋めし、返済しなければならない。

(見た目4%の差でも、20年たつと莫大な額になり、今の経済状況だと、損失が拡大していくおそれもある?)
そのとおりです。厚生年金基金の数の推移ですけれども、損が拡大する前にやめてしまおうということで、実際に、10年間で3分の1に激減しています。
ただ、厚生年金基金は2つに大きく分けられまして、減っているのは「単独型」、「連合型」と呼ばれます大企業、あるいは、そのグループ企業が作った基金なんですね。
一方、ほとんど数が減っていないのは、「総合型」と呼ばれるものです。
総合型は、同業、あるいは同地域の中小企業が、数十から数百社集まって設立しているんです。

(総合型が減っていかないのはなぜか?)
実際には、やめるにやめられないですとか、あるいは、これだけ損があることをよくご存じない、実情がわからないというケースが多いです。
単独型、連合型ですと、比較的大企業が多くて、意思決定がとりやすい、それから莫大な損がありましても、埋め合わせをしてでも返済していこうと、こういうケースが多かったんですけれども、総合型の場合には、中小企業が寄り集まっていますから、ほかの企業の分まで負担ができない、あるいは、その余力もないし、義理もない。
あと、基金に加盟する1社1社が、きちんと返済していただかないと、返すことができないんですね。
また、基金をやめる場合には、全事業主の4分の3の同意が必要です。
お互いの担当者が、顔すら知らない。
そういう中で、基金のどこかの企業がリーダーシップを取って、音頭取りをしていただかないと、なかなか意見がまとまらない、こういうことになってしまいますね。

(企業にとって、大切な年金のはずが、なぜ理解されないのか?)
多くの中小企業が集まって基金を作ってますから、実際の運用は、一部の加入企業、あるいは厚労省、旧社保庁のOBの方に、いわゆる天下りの方に任せっきりになってるんですね。
そうしますと、加入契約の説明が十分でなかったり、あるいは、思いきった手が打てないと、こういう現状になっています。

(いろいろな要因が複雑にからみ合い、泥沼のような状態になっているのが総合型か?)
その通りなんです。

http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/fnn?a=20120513-00000210-fnn-soci
スポンサーサイト

 ←応援クリックお願いします!


今すぐチェック!
↓↓↓
2012.05.14 Mon l 年金 l top ▲