毎日新聞 6月6日(水)2時32分配信

 「消えた年金」の記録訂正と支給の可否を判断する総務省の「年金記録確認第三者委員会」が、加入者からの申立件数を抑えるよう指示する内部文書を作り、各地の年金事務所に通知していたことが5日分かった。記録訂正が認められる可能性が低い加入者に対し、年金事務所の窓口で「申し立てしないよう説得」した上で、「事務量を軽減する」と明記している。年金記録問題の解決が長引くなか、不誠実な対応を窓口に迫る姿勢が浮き彫りになった。【太田圭介】

 ◇内部文書「事務量を軽減」

 毎日新聞が入手した内部文書は、記録訂正が認められる可能性が低い事例として「第三者委でいったん申し立てが退けられたのを不服として、再度申し立てる場合」「申立期間が、基礎年金番号が導入された97年1月以降である場合」などと具体的に示した。

 その上で「新たな資料がある場合に限り再申し立てできる」「単に結論に不服があるということだけでは記録訂正は認められない」などと強調。同じ時期に作った加入者向け説明チラシでも、複雑な事実関係を自ら「十分確認してから申し立てる」よう求め、申し立てをためらわせるような表現を掲載していた。

 入手した他の内部資料によると、申立期間が97年1月以降であっても、記録訂正が認められたケースが毎年10~20%程度あった。指導によって申し立てを断念する人の中に、本来なら訂正が認められるケースが含まれる可能性がある。

 第三者委は07年6月、年金記録漏れ問題の発覚を受けて設置された。年金業務を受け持つ厚生労働省から独立させるためあえて総務省傘下とした。受付件数は11年度2万7570件で、ピークの09年度(6万374件)の半分以下に減ったが、第三者委の実務を受け持つ行政評価事務所からは「本来業務に支障をきたす」と不満が上がっていた。

 業務が社保庁から日本年金機構に移り、窓口が社会保険事務所から年金事務所になったことで、事務処理能力が大幅に下がったことも背景にある。ベテラン職員の自主退職や整理解雇に伴い、専門知識に疎い臨時職員が窓口業務を担ったため、本来は年金事務所窓口で処理すべきケースが第三者委に安易に回された。そもそも記録問題は「2、3年程度で完了できると想定されていた」(厚労省関係者)ため、業務をそろそろ手じまいしたいという思惑もあって、申立数抑制という対応に出たとみられる。

 第三者委員会事務室は「年金事務所でよりきめ細かく対応してもらえれば、第三者委だけでなく、記録訂正が受け入れられると誤解している人にとっても余計な手間を省けるので、お互いのためになると考えた。事務量の軽減は以前から検討していた。年金支給の判断基準を変えたわけでもない」としている。

 ◇消えた年金問題◇

 旧社会保険庁によって不適切に管理された年金記録のうち、加入者が保険料を納付したにもかかわらず、納付記録が社会保険庁のコンピューター上にも原簿にも一切ない年金記録のこと。07年に発覚した年金記録問題で明らかになった。領収書など公的な納付記録がない人に対して年金給付の可否を判断するため、総務省に「年金記録確認第三者委員会」が設置されたが、政府は第三者委を廃止し、記録確認業務を厚生労働省に移管することを検討している。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120606-00000014-mai-soci
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