産経新聞 11月24日(土)9時19分配信

 解散の陰で目立たなかったが、今月16日、年金関連で2つの法律が成立した。一つは、所得が低く、年金額の少ない人に、月額5千円を納付期間に応じて支給する法律。もう一つは、物価が下がる中で、本来の水準よりも高い年金が支払われてきたことを是正する法律。来年秋から徐々に計2・5%分の減額が実施される。(佐藤好美)

 ◆繰り上げで少額に

 大阪府に住む介護職、小林孝子さん(70)=仮名=は夫(74)と2人暮らし。年金収入が暮らしの柱だが、小林さんの年金は、老齢基礎年金(国民年金)とわずかな厚生年金を合わせて月に約6万3千円。夫の年金は国民年金だけで月に約3万7千円。小林さんが週2回ヘルパーの仕事をしてやりくりする。

 小林さん夫妻の年金が少ないのは、2人とも65歳から受け取る国民年金を5年早めて受け始めたからだ。年金を早く受け取る「繰り上げ」を選ぶと、年金額は減る。小林さんの夫は、とりわけ減額が大きい世代で納付期間は長かったのに、年金は本来額の58%になってしまった。孝子さんの年金も本来額の70%程度だ。

 しかし、衆院が解散された16日、小林さん夫妻には朗報となる法律が成立した。年金が少なく、所得の低い高齢者に、納付期間に応じて月に5千円が給付される「年金生活者支援給付金法」だ。小林さん夫妻も条件を満たせば、それぞれが給付金を受け取れる。「このままだと暮らせないと思っていた。受け取れたら本当にうれしい」と言う。

 ◆対象になるのは…

 法律は消費税引き上げとセットで検討されたもので、対象者は500万人。給付総額は約6千億円で、消費税の引き上げ分が充てられる。このため、実施も消費税が10%になる平成27年10月だ。

 給付金を受け取れるのは、(1)老齢基礎年金の受給者(2)家族全員が住民税非課税(3)年金収入と「その他の所得」の合計が、老齢基礎年金の満額以下-の3条件を満たす人。

 老齢基礎年金の満額は24年水準で月額6万5541円だから、今の受給者は、年金がそれ以下かどうかが受給の一つの目安になる。小林さん夫妻の年金は2人とも満額に届かない。孝子さんには介護職としての収入があるが、「所得」が生じなければ、2人とも支給対象になりそうだ。

 給付される額は、保険料を納めた期間によって異なる。例えば、国民年金の保険料を40年間納めた人には月5千円が支給される。満額の基礎年金を受けている人は27年時点で、給付金と合わせて月に約6万9千円が受け取れる計算だ。一方、保険料を納めた期間が短い人は、給付金も少ない。保険料を20年間納め、20年間は未納にした人には、5千円の半額の月2500円が支給される。

 「未納」の期間は給付対象にならないが、「免除」の期間は、別の計算式で給付金が支給される。例えば、40年間免除を受けた人は、現在の年金額約2万1千円に月額1万円強が支給される。

 当初、国会に提出された法案は給付額が一律で、給付の有無で逆転が生じる可能性があった。「納付意欲をそぐ」「不公平だ」と批判があったことから修正され、逆転が起きないように調整も行われる。

 ◆減額対象は全員

 給付金は、年金も所得も少ない人が対象。だが、法改正で年金減額も決まった。年金の額や種類にかかわらず、全ての年金受給者が対象になる。

 減額されるのは、本来の給付水準よりも高く支払われている2・5%分。来年10月にまず1%、再来年4月にさらに1%、その1年後の27年4月にさらに0・5%が減額される。

 年金は本来、物価が上がれば上がり、下がれば下がる。しかし、12年度に物価が下がったときに年金額は据え置かれ、その後、何度か減額はされたが、「支払われ過ぎ」の状態が解消されなかった。

 年金財政が逼迫(ひっぱく)する中で、23年度までに余分に支払われた年金額は累計で約7兆円。政局が流動的な中で、どの党の政治家も高齢者の反発が強い年金減額を敬遠してきたことが大きい。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121124-00000504-san-soci
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