毎日新聞 1月27日(日)10時1分配信

 今年4月から始まる厚生年金の支給開始年齢引き上げと、改正高年齢者雇用安定法の施行で、企業は今年4月から段階的に65歳まで希望者全員の雇用を義務づけられる。雇用延長は人件費の増加につながり、若手社員の雇用や処遇にも影響を与えかねない。1人当たりの働く時間を減らすなど各企業は取り組みを模索するが、雇用延長と働き方の問題は、今春闘でも大きなテーマとなりそうだ。【川口雅浩】

 今年4月から厚生年金の支給年齢が男性は現行の60歳から61歳に引き上げられる。JFEスチールは、60歳定年後に再雇用されるリーダー(班長)クラスの賃金に平均で月額3万5000円上乗せする方針を労働組合に提示した。厚生年金7万円の支給が61歳からになるためだ。労組は年金相当分の引き上げを求めているが、同社は「現状の厳しい経営環境の中、最大限の努力を行った」と説明する。

 トヨタ自動車は60歳定年後の再雇用制度として、工場従業員の1人当たりの労働時間を半分に短縮することで、人件費を抑えながら雇用機会を増やす「ハーフタイム勤務」の導入などを検討中。毎月一定額を積み立てて、定年後に受け取る新たな退職金制度も検討している。同社は09年度以降、定年後の社員を65歳まで再雇用しているが、「新卒採用への影響もありうるので、再雇用と資産形成をどうすべきか、労使で話し合っている」。

 三菱重工業は60歳定年の社員を再雇用するため、週5日のフルタイムだけでなく、勤務時間を短縮して社員1人当たりの賃金を抑えながら、雇用を増やす方向で労使が協議中。NTTグループは40~50歳代の賃金上昇を抑制して、再雇用のための賃金の原資とする方向だ。

 年功序列の給与体系を成果主義に改め、人件費を抑えながら定年を65歳に引き上げた企業もある。イオンは厚生年金の支給年齢の引き上げをにらみ、07年2月から定年を65歳にした。社員の年齢を問わず、能力に応じて賃金を払っている。サントリーホールディングスと大和ハウス工業は4月から定年を65歳に引き上げる。サントリーは60歳までの処遇は変えないものの、60歳以降は能力や経験に応じた給与体系に見直す。

 65歳までの雇用継続をめぐっては「定年延長や再雇用など、企業や職場によってさまざまなパターンが想定される。労使が話し合い、今春闘で合意できれば理想的」(大手企業労務担当者)とされており、各企業で進む労使の協議が注目される。

 ◇年金支給開始年齢引き上げと再雇用

 厚生年金の支給年齢は男性が13年4月から、現行の60歳から61歳に引き上げられる。16年に62歳、19年に63歳と段階的に上がり、25年に65歳となる。女性はいずれも5年遅れで引き上げが進む。一般的な60歳定年のままでは、厚生年金の受給まで空白が生まれるため、企業は改正高年齢者雇用安定法に基づき、今年4月以降、60歳定年を迎える社員が希望すれば全員を再雇用することが義務づけられる。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130127-00000007-mai-bus_all
スポンサーサイト

 ←応援クリックお願いします!


今すぐチェック!
↓↓↓
2013.01.29 Tue l 年金 l top ▲