産経新聞 2月12日(火)11時45分配信

 ■年金額は下がるのに

 「生活保護費が、40年納めた年金よりも高いのはおかしいのではないか」

 昨年11月、年金の特例水準を物価に即して下げるスケジュールが決まると、本紙生活面「ゆうゆうLife」に、こんな手紙が相次いだ。

 徳島県に住む男性(65)はこう記す。「物価スライドで年金が減額され、介護保険で引かれ、健康保険で取られ、固定資産税で取られては、年金暮らしの身にはちと、きついのではないかと思うのです。私なんぞは国保税、固定資産税を納めると、生活に必要な食料品が手に入りにくくなるので、役場に『(保険料を)納めることができかねる』と理解を求め、『遅れながらでもいい』という了承のもと、ガンバッテ納入しておりました。しかし、最近、生活保護の高さに驚き、あきれています。まじめに年金を納めてきた者より、生活保護の方が多いのは、おかしい話ではないでしょうか」

 背景には、国民健康保険や介護保険の保険料が上がる中で年金の手取り額が減り、生活実感が落ちていることがある。

 京都府京丹後市に住む女性(84)は、ほぼ満額に近い国民年金で暮らす。介護保険料と後期高齢者医療の保険料が天引きされ、持ち家なので固定資産税を納めると、手元に残るのは5万5千円弱。

 「食費はスーパーで割引のものしか買わないので、お米は別として、日に500円から高くても700円くらい。医療費は1割負担なのでありがたいです」という。しかし、生活保護を受ける人の暮らしぶりを見ると、釈然としない。保険料を払わずに済むし、窓口負担もかからない。むしろ、生活は豊かに見える。「最低生活を保障するといわれますが、最低とはいくらなのでしょうか」

 ■低年金と保護の段差

 もちろん、年金と生活保護は役割が異なる。厚生労働省は「生活保護は生活できる最低水準を保障するもので、資産や親族の助けなど、あらゆるものを活用しても不足する分を支給する。これに対し、老齢基礎年金は納めた保険料に応じて給付しており、これだけで生活することを前提にしていない。資産や家屋、自動車、不動産なども所有できるし、自営業なら事業収入がある人もいる」とする。

 だから、満額の国民年金を受けていても、最低生活が立ち行かず、財産がない、働けないなどの要件を満たせば生活保護を受けられる。しかし、生活保護の手前で踏みとどまる人には、低所得者支援に「段差」や「逆転」があるように映る。

 ただ、扶助基準の引き下げは、最低生活の水準を下げることでもある。低所得の人が受ける各種制度への波及もあり、生活保護でない人の生活が苦しくなる恐れもある。

 ■物価が上がると…

 平成25年度の扶助額は物価下落を反映するが、田村憲久厚労相は物価が上がった場合の対応について、「アベノミクスは、デフレを止めて景気を良くして、国民の所得を増やそうというのが大きな目標。所得が上がれば、賃金が上がり、消費も増える。そうなれば生活保護の基準額も上がっていく。そうしなければならない」とした。

 しかし、物価が上がれば、年金の伸びを抑える「マクロ経済スライド」が、年金の額に関わりなく実施される可能性がある。デフレ下で発動されずに来たが、「消費税が10%に上がる27年10月には物価が上がり、特例水準も解消され、発動の準備が整う」(厚労省)とされる。

 物価が上がって年金額が抑制されたときに、生活扶助は上げられるのか-。

 厚労省は昨年5月、「社会保障制度の低所得者対策の在り方に関する研究会」を発足させた。年金とのバランスで生活保護の額がどうあるべきかを考えるのも目的の一つだった。しかし、2回の開催後、今は開店休業状態だ。生活保護の水準をどうするか、年金との関係においても一体的に考える場面に来ている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130212-00000560-san-hlth
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2013.02.17 Sun l 年金 l top ▲