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産経新聞 8月4日(日)19時13分配信

 年金受給権の時効を撤廃し、過去の記録ミスによる支給漏れ分を支払う「時効特例給付」が行われず、約1300件(計約10億円)にも及ぶ日本年金機構の未払いが発覚し4カ月が経過しても、機構や監督責任がある厚生労働省の職員に対する処分が行われる気配がない。平成19年に5000万件の未統合の「宙に浮いた年金」が判明し、年金加入者をばかにしたずさんな年金行政が露呈。国民から猛反発を受け両者とも猛省を促されたばかりだが、給付でミスしても誰も責任を取らない驚きの状態が続いている。(比護義則)

 同じ受給対象者でも支給と不支給の両処分が存在する「ぶれた年金」の存在が浮上したのは、機構職員の内部告発があった平成24年1月。驚いたことに機構は同月から約1年間も問題を放置し無為無策のまま業務を継続。内部の調査委員会が最終的に未払い金額をとりまとめたのは今年3月になってからだ。機構は翌月、記者会見で年金未払いを引き起こした理由について「準備期間が短かった」「運用が正しいと思っていた」と子供じみた言い訳に終始した。こうした職員の怠慢に危機感を抱いた田村憲久厚労相の対応は素早かった。

 すぐさま公正な事務手続きの徹底を図るため、金子順一事務次官(当時)に再発防止を言明した内部通達を行うよう指示。次官通達では「公務に対する職員の姿勢に緩みが生じている。公僕の使命感が希薄になっている」と危機感を示した。さらに同省監察本部を開き、年金未払いを放置した事務処理の検証と職員の処分の検討作業をスタートさせた。

 ところが、監察本部では8月に入っても「責任問題があれば職員を処分するが、事実関係を確認中だ」として悠然と構えている。同様に機構も「職員の処分が、いつになるのか決まっていない」と曖昧な態度に終始している。

 そもそも機構は問題の「原因」を調べるのがとても苦手だ。

 今年7月、機構のコンピューター端末にある業務用共有フォルダー内に、時効特例給付の是非について「悩んだら払え」と指示する内部文書が存在することが判明。統一された法解釈ではなく、職員個人の好き勝手な裁量に支給の適否を任せる言語道断の文書で、あきれるしかない。

 この文書について、機構は「誰が作成したか分からない」と回答。「個人的なものなので、共有フォルダーに入った経緯は調査しない」と明言している。さらに、内部文書の存在をマスコミが明らかにしたことについて「外部に漏れたことが問題だ」として、情報漏洩の方を気にする始末だ。

 そもそも共有フォルダーは業務上必要な書類の保管場所として使用され、支払い給付作業を行う職員のスケジュールや各種関連法令の文書が入っている。私的文書が紛れ込むのはおかしいことなのだ。文書が存在した原因を特定し「ぶれた年金」が生じないようにするのが公正な年金行政を行うために不可欠な要素なのだが、機構にはやる気がない。

 もちろん、こうした問題を起こした職員は数年で担当部署から異動するため、現在の担当者は無関係だ。ただ、二度とミスを起こさないようにするため、問題の原因や責任の所在の追及を放棄してはならない。放棄すれば、また同じような不祥事が起こる。そのときは、また国民が被害者になる。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130804-00000549-san-soci
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2013.08.10 Sat l 年金 l top ▲
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