毎日新聞 12月20日(金)21時50分配信

 年金記録問題への対応を巡り、厚生労働省社会保障審議会の特別委員会(磯村元史委員長)は20日、誰の物か分からない5095万件の「宙に浮いた年金」のうち、4割に当たる2112万件が不明のままとする報告書案を公表した。2010年度から始まった国の集中対応期間が今年度で終了するため、同省では対応体制の縮小論も出ているが、今後も丁寧な対応を続け、必要に応じ新たな法的措置を検討するよう求めた。年明けに田村憲久厚労相に提出する。【野倉恵】

 「宙に浮いた年金」は07年に発覚。年金のコンピューター記録約3億件の中に、対象者不明の記録が多数存在していたもので、オンライン化時点の入力ミスや1997年の基礎年金番号導入時の点検の不十分さが主な原因とされる。「年金不信」を広げ、旧社会保険庁の解体につながった。

 委員会は、同省や旧社保庁の業務を引き継いだ日本年金機構の対応を検証するため今春結成された。

 報告書案では、集中対応などによる成果で今年9月時点で、5095万件中2983万件の該当者(死者を含む)が判明し、受給者計269万人が年額946億円の年金を回復したと総括。残り2112万件の中には、該当者らしき人に文書を送付しても返答がない例もあるが、手がかりすらないものが927万件に及ぶという。

 07~08年度にかけ年間800万件以上減った未解明記録は、10年度以降の減少が年60万~70万件にとどまる。報告書では理由として、該当者が「年金増額が少ない。所詮は受給資格に達しない」などと自己判断して申し出ない実態があると分析。「本人の申し出と記憶が頼り」として、啓発活動や情報提供システムの充実を求めた。

 また、保険料納付記録がなくなる「消えた年金」などに関し、何らかの基準に基づく「推定回復」を行うことも提言。「年金制度に固有の特別な救済手続きの整備を図る必要がある。現行法で救済困難なケースは新たな法的措置の検討が必要」と指摘した。

 ◇解説…「縮小ありき」で進めるな

 「宙に浮いた年金」は、相当量が未解明で残る恐れが出てきた。しかし、その中には、長期に保険料を納めて高齢化し、すぐに受給できる人の記録が少なくとも1万人分以上埋もれているという。

 年金記録への集中対応期間は3月で終わるが、20日の特別委で委員は「これで幕引きでない」と強調。厚生労働省と日本年金機構の担当者は「今後に生かす」と応じたが、「記録訂正には引き続き応じるが、特別体制での対応は終わる」(同省幹部)と業務は縮小される見通しだ。「もう過去の話だ」という空気は国にないだろうか。

 公的年金の加入が義務である以上、適正な支給は国の責務だ。東京都内のある男性は、名前の漢字の読みを誤った片仮名でオンライン登録されたため、記録が宙に浮き、何度も窓口を訪ねた。その間、無年金状態が続いて通院すらためらった。そんな「無年金でさまよう高齢者」がいまだに1万人以上いるかもしれない。そんな発想を忘れないことも国に求められる。

 問題発覚時にも首相だった安倍晋三首相が当時「最後の一人まで解決するという決意」と断言した事実は重い。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131220-00000121-mai-soci
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