産経新聞 6月22日(日)16時2分配信

 田村憲久厚生労働相が、公的年金の受給開始年齢を選択制で75歳まで引き上げることを検討すると表明した。受給開始を遅らせる選択をした人は、繰り下げた期間の長さに応じて月ごとの受給額が増えることになるが、いったい何歳からもらうのが“お得”なのか-。

 公的年金の支給開始年齢は現在、国民年金が65歳で、厚生年金は60歳から65歳へと段階的に引き上げている途中だ。

 「75歳まで支給開始を引き上げられてはたまったものではない」と心配する向きもあるかもしれないが、田村氏が言及した案は、75歳への一律引き上げを指すわけではない。

 年金は、個人の希望によって60歳から70歳までの間で受給開始年齢を選ぶこともできる。繰り上げたり繰り下げたりした場合はもらえる年金の額が増減し、受け取りを1カ月遅らせるごとに0・7%増え、逆に1カ月早めるごとに0・5%減る。各自の経済状態や老後のライフスタイルに応じ、受給のペースや年金の額をアレンジできる仕組みになっているのだ。

 この選択幅の上限を「70歳」から「75歳」に引き上げる、というのが、厚生労働省が今後検討する改革案だ。

 では、75歳までの引き上げが実現した場合、もらえる年金の額はどうなるのか。支給月額が10万円のケースでシミュレーションしてみよう。

 現行の上限年齢の70歳から受給を始めた場合は、増加率が42%(0・7%×60カ月)となるので、毎月14万2000円を受給できる。

 75歳への引き上げ後も同じ月0・7%の増加率が適用されると仮定して試算すると、71歳からもらい始めれば毎月の受給額は15万円。さらに72歳だと15万8000円、73歳だと16万7000円、74歳だと17万5000円…。上限の75歳まで繰り下げると月18万4000円となり、65歳スタートの場合と比べてなんと84%増しの年金を受け取ることができるという計算になる。

 とはいえ、75歳まで受給開始を遅らせるのは、多くの人にとって現実的とは言いがたい。

 60~70歳代でも定期的な収入が期待できる自営業者ら(それもかなり裕福な)に限れば賢い選択かもしれないが、サラリーマンの場合、75歳まで年金を受けずに生活ができるという人は非常に限られているだろう。

 当然ながら寿命という問題もある。

 厚労省の平成24年簡易生命表によると、75歳時点での平均余命は男性11・57年、女性15・27年だ。75歳から年金をもらい始めた人の受給総額が65歳スタートの人を追い越すのはだいたい87歳なので、統計上は、男性の場合は元を取ることが難しいということになる。

 そもそも、75歳まで生きているという保障はだれにもない。簡易生命表によると、75歳まで生きる人の割合は男性73・1%、女性86・9%で、男性に限れば約3割が死亡していることになるのだ。

 「長寿を競うギャンブル」というと言葉は悪いが、つまるところ、どれだけ長生きするかによって損か得かのラインは変わってくるといえる。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140622-00000529-san-pol
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