毎日新聞 10月4日(土)9時20分配信

 年金積立金の運用改革を託され、塩崎恭久氏が厚生労働相に就任して1カ月。ベンチャー企業や未公開株など、運用先の拡大が持論の塩崎氏の起用は、株価浮揚を目指す首相官邸の意向が透ける。しかし、9月中とも言われた投資先の見直しは遅れ気味だ。塩崎氏が運用を手がける「年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)」の組織改革にこだわり、官僚の抵抗にあっているためだ。【吉田啓志、中島和哉】

 ◇塩崎氏主導「合議制」導入に反発

 積立金の運用に関しては、総資産約127兆円の6割を国債など国内債券に投じる一方、リスクのある国内株式は2割弱と定められている。これに対し、国内外の株を増やしてより多くの運用益を出せ、というのが安倍政権の意向だ。9月下旬、米ニューヨークを訪れた安倍晋三首相は「GPIFを所管する厚労相に『改革の旗手』の塩崎氏を任命した。私の本気度をお分かりいただけると思う」と世界に向けてGPIF改革を発信した。

 見直しを渋る厚労官僚も国債偏重の危険性は認めている。塩崎氏と隔たりがあるのはGPIFの組織改革だ。現行では権限が理事長に集中し、その任命権を厚労相が握る。GPIFには有識者7人で作る運用委員会があるが、塩崎氏は日銀の政策委員会に準じた複数の金融のプロによる「合議制」の導入を主張している。

 その狙いは、GPIFの独立性を高め、厚労省の介入を防ぐことにある。「独法を手放したくない同省年金局」(厚労省幹部)がそれに抵抗する構図だ。「政府から離れたGPIFが運用に失敗したら、誰が責任を取るのか」との慎重論や「合議制メンバーの人件費は膨大で、工面できない」との声もくすぶる。

 塩崎氏は厚労相就任前、GPIFの組織改革法案を臨時国会に提出する意向を示していたが、省内の抵抗で進まず、そのあおりで投資先の見直しも遅れている。ただ、塩崎氏は「首相の意向もある」と投資先の変更は急ぐ考え。国内株への投資を1%増やせば市場には1兆円強が流れ込む。首相が「年金財政の安定が目的」と「株価対策」との見方を否定しても、投資家の期待は高まる一方だ。

 年金資金での株価維持は、バブル崩壊後の1990年代前半にも行われたが奏功しなかった。日本総合研究所の西沢和彦上席主任研究員は「企業価値を高めるわけでもなく、成長戦略に位置づけるべきではない。政治的エネルギーを使うべき方向が違う」と指摘する。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141004-00000015-mai-pol
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