産経新聞 2月13日(金)8時5分配信

 女性向けのマネーセミナーが活況だ。お金の「貯(た)め方」「使い方」「増やし方」に興味を持つ女性が増えている。特に独身女性は不安感が強い。それを解消するためにはまず、自分のライフプランを考え、いくらお金が必要になるのか、自分できちんと考えるのが重要だという。ただ、計画を立てるのには“難しさ”もあって…(油原聡子)

■「できることは行動しないと」

 「お金のこと経済のこと、どんなイメージをお持ちですか?」ファイナンシャルプランナー(FP)の高山一恵さんが問いかける。

 1月下旬、女性を対象にしたマネーセミナーが都内で開かれた。参加者は約30人でほぼ満席。独身女性の参加も目立つ。2時間ほどのセミナーでは、貯金や節約のルール、資産運用の基礎知識が解説された。

 東京都北区の会社員、鈴木幸子さん(33)=仮名=は、初めてマネーセミナーに参加した。鈴木さんは金融商品に興味があり、数年前から投資信託も始めている。「年金もいくらもらえるのかわからないし、税金の負担も増えそうで不安。自分でできることは行動していかないと、と考えました」と鈴木さん。交際相手がいないため直近で結婚の予定はないが、「将来結婚しても、今どきの男性の年収だけで食べさせてもらうのは難しい」と現実的。鈴木さんの両親が共働きだったこともあり、「旦那さんがリストラされることもあるかもしれない。女の人もきちんと仕事をしてキャリアを重ねた方がいい」。不動産投資にも興味があるという。

■独身女性が陥りがちな“失敗”

 「老後破産」「年金破綻」などの言葉がメディアをにぎわすなか、将来に不安を覚える独身女性は多いようだ。

 生活総合情報サイト、オールアバウトの運営する「生活トレンド研究所」が昨年1月に発表した調査では、独身女性が不安に思うことの上位は、「自身の経済状態」「自分の老後」だった。

 調査には、20~49歳の未婚の男女961人が回答。現在不安に思うことを尋ねると、女性の場合、20代前半から30代前半までのトップは「自身の経済状態」だった。しかし、30代後半から40代後半は1位が「自分の老後」に代わる。一方、男性は20代前半から40代前半まで1位は「自身の経済状態」で、40代後半になって「自分の老後」が1位になる。

 一方で、女性からの相談を多く受けるFPの大竹のり子さんは「女性はハッキリした悩みがなく、漠然と将来が不安という人が多い」と話す。

 不安感から、独身女性が陥りがちなお金の失敗もある。必要以上に年金保険に加入したり、自分の収入で返せる額を超えた住宅ローンを組んでしまったり…。「年金保険は途中で解約すると元本割れする可能性がある。住宅も投資の合理性があれば買っても良いと思いますが、結婚などで売ったり貸したりすることになったときに、マイナスにならないような物件を選ぶように意識して購入を」と大竹さん。

 不安解消のために大竹さんが提案するのが、「ライフイベント表」の作成だ。住宅購入、結婚、海外旅行など人生の大きなイベントや予定について時系列に書き出す。費用がいくらかかるかも、大まかでいいので書いておく。今の貯蓄額や貯蓄ペースだと、どのくらいお金が足りないかなど現実的に把握できるという。

 老後の暮らしはいくら必要かという試算も数多く出ているが、「試算はあくまで試算。相続できる家があるのか、自分が老後にどんな暮らしをしたいかなど、必要な額は個人個人で違う。まずは自分がどんな生活を送りたいのか考えて」(大竹さん)。毎年、海外旅行に行きたいのか、外食の頻度はどのくらいか…具体的にイメージすることが大切だ。「目標がはっきりすれば不安が解消されるはず。経済的に自立し、家計管理ができるようになるのは、将来結婚したときに、うまくやっていくためにも大切」と大竹さん。

■混同しやすい「投資」と「浪費」

 目標額を決めたら、お金を貯めるだけ。だが、女性の場合、女子会や化粧、エステなど、女性ならではの出費も多様にあり、「貯金が苦手」という人もいる。

 貯金の基になる年収を見てみる。国税庁の平成25年分民間給与実態統計調査によると、男性の平均年収は511万円。一方、女性は272万円だ。男性に比べて女性は収入が低い傾向にある。ずっと独身だった場合には、自分で老後のお金まですべて用意しないとならない。

 また、年収の男女差は貯金額の差にもつながる。IT企業「マネーフォワード」(東京都港区)が、主に20代~60代の2412人を対象に行った「2014年独身男女のお金実態調査」によると、貯金の平均額は578万円。男性平均646万円に対し、女性平均は438万円と男性の7割弱。さらにどの年代で見ても、男性の方が女性よりも貯金額が大きい結果となった。同社では「男性の方が収入が多いことに加え、女性の方が消費が多いのが原因」と推測している。

 昨年11月に、「『おひとり』を不安0で生き抜く女子貯金」を出版したFPの横山光昭さんは「数年前から、将来のお金に不安を覚える女性が増えてきたように思います。特に、ずっと独身だと、結婚・出産などのライフイベントが少なく、貯金の習慣がつきづらい」と指摘する。

 お金を貯められるようになるには、まずは自分の出費を把握するのが基本。出費を「消費・浪費・投資」に分けてみる。生きていく上で必要なのが「消費」▽いわゆる無駄遣いが「浪費」▽未来の自分にとって糧になるような使い方が「投資」-だ。消費:浪費:投資が75:5:20の割合になるのが理想的だという。

 気を付けたいのが、浪費と投資の区別。「女性によくあるのが自分へのご褒美」と横山さん。頻繁に自分にご褒美を与えると、単なる浪費になってしまう。さらに、「自分への投資」も内容次第では「ただの甘やかし」になるという。

■年収700万円、「貯金できない」

 一度上げてしまった生活レベルを下げるのは難しい上、「自分が苦労して得た収入だから使うのも自由」という心理もありそうだ。

 横山さんのところに相談に来た30代婚活中の女性。年収700万円ほどあるのに貯金ができないのが悩みだった。よく聞いてみると、年間の婚活にかかる費用が50~60万円。加えて、被服費が毎月3~4万円、ネイルやエステ、化粧品にもお金をかけていた。本人は「外見が魅力的になれば、いい結婚相手が見つかるはず。婚活に必要だから投資です」と話していたというが、「最新のファッションを着ていなくも婚活はできるはず。自分への投資としても限度がある」(横山さん)

 無理な貯金の目標を立てては意味がない。まずは3カ月など短い期間で目標を立て、実現可能か判断してから、将来を見据えた目標額を決めてもよいという。

 ただ、老後の不安におびえてばかりいても仕方がない。例えば30代で働いていれば通常、定年まで20~30年の「時間」がある。横山さんは、「できることはたくさんある。時間を味方につけて、今から貯められる体質を目指してほしい」と話している。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150210-00000548-san-life
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