現代ビジネス 3月15日(日)11時1分配信

 国家公務員共済などの年金がGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)と同じようにリスク資産への運用シフトを始めるというので、関係者がざわめいている。今回はその背景を探って、なぜ騒いでいるのかを考えてみよう。

 社会保障・税一体改革の中で、'12年8月、被用者年金一元化法が成立した。それによって、'15年10月から、厚生年金に国家公務員、地方公務員と私学教職員が加入することになった。つまり、厚生年金と、国家公務員共済、地方公務員共済、私学共済が一元化される。

 国家公務員共済、地方公務員共済、私学共済それぞれの積立金は約8兆円、約18兆円、約4兆円。年金一元化にともなって、それぞれの積立金の半額程度が厚生年金の共通財源とされ、厚生年金と国民年金の積立金120兆円と合算されて管理される。

 その運用については、厚生労働大臣、財務大臣、総務大臣、文部科学大臣が共同で「基本指針」を策定することとされている。年金一元化というものの、厚生年金が厚労省、国家公務員共済が財務省、地方公務員共済が総務省、私学共済が文科省というそれぞれの所管なので、4大臣がそろって共同で指針を定めたということ。つまり、あくまで縦割りなのである。

 その「基本指針」に基づいて、GPIF、国家公務員共済組合連合会、地方公務員共済組合連合会、私学事業団がそれぞれ、各運用主体のポートフォリオを定めるに当たって参酌すべき資産構成の目標(モデルポートフォリオ)を策定するとされている。ここでも縦割りは堅持されているのだが、前述したように、運用の「基本指針」は4大臣の下で決まる。結果として、今回のように、国家公務員共済連合会、地方公務員共済連合会、私学事業団ともに、GPIFと同じようなポートフォリオへ変更することになったわけだ。

 以上が年金一元化の経緯。年金一元化というものの、その運営組織の実態は各省がそれぞれの積立金を一種の「利権」と考えて、死守しているのがわかるだろう。民間の会社であれば、そこまで各部署が資金を抱えるということは考えられず、財務関係部署で一元管理するが、役所はそうではなく、あくまで各省があたかも独立した会社のようになっているわけだ。

 GPIF、国家公務員共済連合会、地方公務員共済連合会、私学事業団で運用方針が同じなら、いっそのこと、それぞれの組織も統合したらいいと思うが、それは役人の論理ではありえない。というのは、国家公務員共済連合会、地方公務員共済連合会、私学事業団は、それぞれ財務省、総務省、文科省の有力な天下り先になっているからだ。

 かつてはGPIFも厚労省の天下り先であったが、さすがに今では運用の素人の厚労官僚に出る幕はない。外部からすれば、GPIFのほうがまともに見えるが、役人は天下り確保が最優先するので、GPIFと組織統合するなんてとんでもないと思っているわけだ。

 財務省、総務省、文科省は、今回の運用方針を同一化することによって、いずれ厚労省のように天下り先が失われていくことを覚悟するかもしれない。ただし、そうはいっても、できるだけそうなるのを引き延ばそうと考えることだろう。

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150315-00042434-gendaibiz-pol
スポンサーサイト

 ←応援クリックお願いします!


今すぐチェック!
↓↓↓
2015.03.21 Sat l 年金 l top ▲