dot. 12月11日(金)7時3分配信

 国民の老後の虎の子である年金。その年金の受給開始年齢を、一律ではなく、個人の選択で75歳まで遅らせる改革案を厚生労働省、自民党が検討中だ。開始を引き上げた場合、その期間に応じ、受給額は増える。だが、健康寿命が75歳とされるだけに、受給者にとって“お得”な制度改正とは言い難い。

「開始年齢をいずれ、一律に引き上げる下地作りではないか」(民主党議員)

 70~75歳まで開始年齢が上がった場合、60歳で定年した人はその間、どうやって生活すればいいのか。検証してみた。

 総務省の家計調査によると、高齢無職世帯(世帯主が60歳以上、持ち家あり)の毎月の消費支出は約20万円。このままのペースでいくと、受給開始が70歳になると20万円×12カ月×10年=2400万円。75歳では3600万円となる。

 毎月の支出を15万円に絞っても75歳まで2700万円が必要となる。

 千里の道も一歩から。できるだけ早いうちから「貯める」「殖やす」「支出を減らす」を徹底したい。

 ファイナンシャルプランナー(FP)の風呂内亜矢氏は何はともあれ、住居費、通信費、保険の3大固定費の見直しを勧める。

「収入にもよりますが、目安としては、住居費は手取りの3割ぐらいまで。通信費は家族が多くなるだけかさみますが5%、保険も5%が目安です」

 保険で貯めつつ節税する方法もある。

「年末調整などで個人年金保険と生命保険、それぞれ年間8万円まで所得控除の対象となります。生命保険の場合、終身保険や養老保険、学資保険は掛け捨てではなく、貯蓄機能がありますので、検討してみてもいいでしょう」(風呂内氏)

 退職時に住宅ローンを完済するには、残高の把握は必須。風呂内氏が言う。

「『ローンの残高は退職金で返せばいい』と言いながら、残高を把握していない人が多い。残高1千万円なのに、400万円ぐらいと思い、驚く人は珍しくありません。できるだけ早く退職時残高を確認しましょう」

 FPのカン・チュンド氏は、60歳で退職金が出ても、そのときに焦って投資すべきではないと指摘する。

「投資していいかは、定年後、まとまった資金や定期収入があるかで変わります」

 投資は、できるだけ現役時代から始めることだ。

「毎月コツコツ、積み立て投資が一番です。投資するとどうしても値動きばかりが気になりますが、積み立て投資で重要なのは口数です。価格が下がることで口数が積み上がります」(カン氏)

 口数とは投資信託の取引単位のこと。投信の成績は価格×口数で決まる。

「年月が経つと膨大な口数になり、価格がちょっと上がるだけで、大きな利益が得られます」(カン氏)

 だが、お金を貯める、いちばん有効な手段は節約だという。

「定年後、減っていくだけの貯金に恐怖を覚える人は多いのです。できるだけ少ないお金で生活できるように訓練しておくことは大事なことです」(風呂内氏)
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