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東洋経済オンライン 3月26日(土)6時0分配信

 「3月末の金利がどこまで下がるか次第。現時点で影響がどのくらいかを測るのは困難だ」

 大和ハウス工業の経理担当者は困惑顔で懸念を示す。同業である住友林業も、マイナス金利が導入された早々から期末の金利動向を気にしつつも、影響を見極めることができず、戸惑いを隠さない。

 なぜか。金利、特に長期金利の低下が、業績の押し下げに直結する可能性が高いからである。経路はこうだ。

■ 割引率は20年物国債の利回りに連動

 退職給付会計では、企業は将来支払うことになる退職金や年金の支給額を、あらかじめ積み立てておく必要がある。

 ただ、将来発生する額を現時点で100%積む必要はなく、今後得られる収益や年金資産の将来における価値を現在価値に換算した額(退職給付債務)を、積んでおけばよい。その現在価値を計算する際に使われるのが「割引率」だが、これが20年物国債の利回りにほぼ連動している。

 上場企業約3600社のうち、過去10年間にわたって割引率を継続して比較できるのは1343社。それらの平均を取ると、特に2003年度以降、割引率と20年物国債利回りとは、高い相関性がみられる。各社は割引率を主に長期国債の利回りを参照にして決めているためだ。

 1月29日に日本銀行がマイナス金利導入を決定してからわずか11日後、2月9日には、10年物の国債指標銘柄利回りが債券市場でマイナス0.035%まで低下。一時浮上したものの、今は再び水面下に潜っている。

 20年物利回りも15年3月末の1.13%から足元で0.46%まで下落。上場企業の2014年度の平均割引率は1.03%だったが、目下の状況から考えると2015年度はさらに低下することが必至だ。

 退職給付債務の割引率は決算期末時点、3月期決算であれば3月31日当日の利回りを参考にする。つまり、ふたを開けてみるまで、影響額はわからないのだ。

■ 業況好調でも一転減益か

 割引率の低下とは、現時点で用意すべき退職給付債務が増えることを意味する。退職給付債務が膨らめば、不足する企業の年金資産を埋めるために、費用を積み増さなければならない。

 割引率の変動による現在価値の見込み額と実績との差や、年金資産の期待収益率と実際の運用成果との差などを「数理計算上の差異」と呼ぶ。退職給付債務で認識される数理差異発生額と、年金資産で認識される数理差異発生額との差が「数理計算上の差異の費用処理額」(以下、数理差異の処理額)となり、販管費に計上される。

 2014年度は期末にかけて株高だったことから、実際の運用収益が期待運用収益を上回る企業が多かった。このため、数理差異の処理額が利益を押し上げる方向に働いた。実際、10年間にわたり継続的に比較できる、1307社の数理差異の処理額を集計してみると、2014年度は総額4200億円と、この10年間で2番目に少ない年だった。

 一方、2002~2003年度における金利低下局面では、2003年3月11日に日経平均株価が1983年以来、20年ぶりの8000円台割れとなるなど、株価が暴落。運用収益の助けがなくなり、処理総額は1兆9900億円にも上った。

 大多数の企業は従業員の残りの勤続年数に見合った年数で費用処理をする。ところが、差異が発生した期に一括償却する、日本会計基準の企業が178社存在する。3月31日の割引率低下の影響度が大きければ、それまでは本業が好調で増益予想だった企業が、いきなり減益に転じることも起こりうる。

■ IFRSの企業は影響が見えにくい

 米国会計基準やIFRS(国際会計基準)を採用している会社は3月17日時点で74社。これらの企業も、数理差異の処理額を一括償却する。

 たとえばトヨタ自動車は、割引率が0.5ポイント低下した場合、退職給付債務は2189億円増え、2015年度の税引き前利益を147億円押し下げるとの試算を出している。日本会計基準の企業も同様の環境下にあることは変わりなく、割引率低下でそれなりの影響が出る公算は高い。

 ただし、日本会計基準とでは、貸借対照表へ至る経路に大きな違いがある。IFRSでは、数理差異の処理額を「その他包括利益」で認識した後、直接、利益剰余金に振り替える。つまり、営業利益や経常利益に、影響は与えない。日本ではあまり意識されない包括利益の陰に隠れ、利益剰余金が細っていく点に留意が必要だろう。

 日銀は3月15日の金融政策決定会合で、マイナス金利政策の影響を見極める必要があるとして、追加的な金融緩和を見送った。これによって、当面、一段の金利低下は避けられるかもしれない。

 だが一方で、さらなる金融緩和を期待した外国為替市場では、円高が進んだ。円高は株安を招き、企業の年金運用にはマイナスに働く。

 この状態が長期化すればするほど、退職給付債務はどんどん膨らんでいく。将来的に退職金の引き下げまで迫られたり、最悪の場合、退職給付制度が破綻を来す企業すら出てきかねない。
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2016.03.26 Sat l 年金 l top ▲
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