ダイヤモンド・オンライン 4月25日(月)11時0分配信

 日本人の平均寿命83歳。60歳定年から平均で23年もあるのをご存じだろうか。消費税増税、社会保険の負担増、教育費の高騰などで貯金が少ない40代、50代。この世代こそ、老後のお金の現状を知って対策を講じなければ、悲惨な老後になってしまう。

 ダイヤモンド・オンラインでも人気の連載「40代から備えたい 老後のお金クライシス」を書いている深田晶恵さんが、『定年までにやるべき「お金」のこと』という本を上梓。この内容をベースに、お金に不安がある人たちに役立つコンテンツを紹介していく。

● 手取り減少、消費税増税、教育費高騰…… “下流予備軍”が増えるこれだけの理由

 老後の生活に対して不安を抱く人が増え続けている。現役時代にはそこそこ稼いでおり、それなりの生活ができていた人が、老後になった途端に経済的に厳しい生活を送るようになってしまう人たちが報道やノンフィクション本で取り上げられる機会が増えているからだろう。

 年収が高くても、年金生活になり、「今お金に困っている」「病気の治療費さえ手元にない」といった人たちの事例を知り「自分もそうなったらどうしよう」と不安に感じる。

 一体なぜ、“下流予備軍”が増えているのか?  家計相談を受けていて感じるのは、10年ほど前と比べると、同じ世代でも貯蓄額が顕著に減っていることだ。

 10年前の40代~50代と今のこの世代では、勤務先が同じで役職も同等なケースでも、貯蓄額に大きな差がついてしまっている。

 背景には、いくつかの要因がある。一つは、手取り年収の減少だ。厚生年金保険料や健康保険料、介護保険料などの社会保険料は増加傾向にあり、配偶者特別控除の一部廃止、年少扶養控除廃止などにより所得税や住民税も負担が増している。

 つまり額面年収が同じなら、給与から差し引かれる社会保険料や税金が右肩上がりに増えている分、手取り収入はどんどん少なくなっているわけだ。

 加えて、近年は消費税増税の影響も大きい。2014年4月に消費税率は5%から8%に引き上げられた。2017年4月には、再度、8%から10%への引上げが予定されている。これらは数字をみても明らかである。

● 2011年から7年で年収500万円世帯は 手取りが30万円以上も減ることになる! 

 大和総研の「消費税増税等の家計への影響試算」(2015年度予算案反映版)では、2011年~2018年の家計の実質可処分所得の推移を試算している。

 この試算においての「実質可処分所得」とは、リアルな手取りのことで「可処分所得=税引き前の給与収入-(所得税+住民税+社会保険料)+児童手当(子ども手当て)」とし、さらに消費税が1%引き上げられるとその年度に物価が0.72%上昇するという大和総研の予測に基づいて、消費税増税分も考慮したものだ。

 下の図は、世帯年収500万円の会社員のケース(片働き、3歳以上中学生以下の子ども2人)を試算したグラフだ。同じ年収でも、2011年と2018年では、実質可処分所得が年間30万円以上も減っていることがわかる。減少の要因を見ると今後は消費税増税の影響が非常に大きいことも見て取れるだろう。

● 手取りは減っていくが 教育費はアップ! 

 使えるお金は減っているのに、今の40~50代は支出も膨らみがちだ。特に家計への負担が大きいのが、教育費である。「子どもにはできるだけ充実した教育を受けさせたい」と思うのは親心だろう。だが、高校生や大学生の子どもを持つ40代後半~50代半ばの親世代は、その親世代である70代と比べ、格段に重い教育費支出を強いられていることをご存じだろうか? 

 昭和52年と平成25年で比較すると、この間に公務員の初任給が2倍ちょっとに伸びた一方、大学初年度にかかる授業料と入学費は私立大学で約3倍、国立大学は約5倍にもなっているのである。

● バブルを知っている世代は 実は貯蓄がまったくできていない人が多い

 また、今の40~50代はバブルの時代やその残り香を知っている世代だ。家計相談を受けていると、他の世代と比べ、突出して「消費好き」が多いと感じる。

 もちろん、この世代でも無駄遣いをせずしっかり貯蓄できている人はたくさんいるが、「クルマは持っていて当たり前」という人、海外旅行に行ったりゴルフをしたりするのにどんどんお金を使う人、ブランド物を好む人が40~50代には多い。「消費好き」なので羽振りは良く見えるが、「実は貯蓄がほとんどできていない」というケースはめずらしくない。 ここまで読んで、「自分は“下流老人予備軍”だ」と気付いた人は、今、冷や汗をかいているかもしれない。

 だが、“下流老人”への転落を防ぐ方法はある。

 まずは現状を正しく認識し、「大丈夫なはず」という“気持ちの粉飾決算”をやめることだ。「なんとかなるさ」ではなく、「なんとかする」と決め、老後に向けてしっかり準備していかなくてはならない。
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2016.04.29 Fri l 年金 l top ▲