舛添要一・厚生労働相は16日、年金記録の支給漏れ問題について、照合作業を予定より1ヶ月早い、11月から始める考えを示した、と報道された。15日には、2010年までに照合を完了するとの意向を表明している。基礎年金番号に未統合の約5000万件の年金記録を、コンピューター上の記録と紙台帳とのつきあわせを行い照合していく。

 舛添要一氏が安倍改造内閣で厚生労働相に就任してからもうすぐ2ヵ月。安倍内閣の閣僚の多くが留任し、堅実な顔ぶれの印象を強く受ける福田内閣のなかで、とくに衆目を集める舛添大臣は民主党に対する国会論戦での「先鋒」に抜擢された様子だ。

 「ミスター年金」こと民主党の長妻昭・衆議院議員は3日の衆議院代表質問で、35分間で70項目以上の質問を福田首相に浴びせたとされている。また、9日の予算委で舛添大臣に受給もれの人数を明らかにするよう詰め寄った。

 マスコミにかぎらず、ネット上では早くも舛添大臣と長妻議員の対決構図が構築された。ネット上の統計のなかには「第1ラウンド」の決着は長妻議員に軍配があがったとする統計もある。

 一方、社保庁や社会保険事務所の職員による年金保険料の着服問題では、舛添氏の「盗人には牢屋に入ってもらう」などとする発言が、賛否両論の物議を醸すと同時に、自治体へ波紋を広げた。

 舛添大臣の「市町村は(社会保険庁より)もっと信用ならない」(9月29日)などとする発言に対して、鳥取県町村会は今月2日、過疎化、少子高齢化、町村合併などをあげ、「歳出を極限までに切り詰め財政の健全化」を進めているとしたうえで、舛添大臣の発言に「上から見下した発言であり市町村を愚弄するものであります」と反発。

 社会保険庁は全国初となる市町村職員による着服に対して、告発に踏み切った。対象となったのは、宮城県大崎市の男性元主事で、社保庁は12日、業務上横領容疑で宮城県警に告発した。大崎市の伊藤康志・市長は同日午後、かけつけた報道陣の対して予定されていなかった会見をひらき、告発への不快感を示した。

 社保庁が9月21日に発表した第2次調査の取りまとめを簡単に数えてみると、着服がわかった全国の市町村のうち、懲戒免職(免職)が51件、停職が31件、減給が7件。また、告発17件、告発されなかったのは68件となっている。9割近い事案で着服した年金保険料は全額返済されている。

 着服事案もさることながら、年金保険料の正当な額を受給していない人数は、社保庁が把握している実数より多い、と予想されている。

 筆者は近所の大衆食堂で、こんな話を小耳に挟んだ。話し手は80代の女性。年金をもらう年齢になってからも年金保険料を払い続けていた、どうもおかしいと、知り合いの勧めで社会保険事務所に確認したところ、事務上の不手際が分かった。また、ある高齢男性は、払った金額よりも明らかに低い金額が給付されたため、事務所に確認し、正当な額の給付を得た、といっていた。

 舛添大臣は年金問題の解決の時期を明示することで、長妻議員との対決構図に引きずり込まれることを避けようとしているふうにも思えるが、本当に3年で解決できるのか。もっと早くしろ、と野党はさらに追及していくかもしれない。しかし、拙速ではまた漏れが出かねない。国民が納得できる十分な討論を期待したい。
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2007.10.23 Tue l 年金 l top ▲