1月6日2時34分配信 毎日新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090106-00000010-mai-soci
社会保険事務局の元職員が宙に浮いた他人の年金記録を父親の記録に統合して年金を不正受給していた事件で、被害者の遺族が「悔しい」と毎日新聞の取材に証言した。遺族は「社保庁のずさんな記録管理と、申請しなければ受給できない『申請主義』が不正の温床になっている」と憤っている。
事件は、元愛知社会保険事務局中村社会保険事務室職員、服部達郎受刑者(53)=詐欺罪などで実刑確定=が91年、自分の父親と同姓同名の受給者を職場の端末で検索。1歳年下の男性の厚生年金記録46カ月分が宙に浮いていることに気付き、男性の記録を改ざんして父親の記録に統合。99年に父親が死亡した後、母親を受給者として遺族年金をだましとった。昨年4月に発覚し逮捕され、不正受給は時効分を含めて老齢年金と遺族年金計310万円とされる。
証言したのは、男性の息子で愛知県七宝町の元会社社長(53)。元社長によると、父親は地元特産品・七宝焼の絵付け職人で、工房で加入した厚生年金のみ受給し、89年に死亡した。ところが詐欺事件の捜査で、1942年6月〜46年2月、軍需工場に勤めていたことが分かった。この間3年10カ月分の納付記録を服部受刑者に奪われていた。
元社長は「小学生の時、自転車で工場近くを通ると、父が『ここで働いとった』とつぶやいた。それ以上何も言わなかった。父なりの戦争への思いを感じ、事件まで誰にも父の工場勤務について話さなかった」という。
遺族年金受取人の母親(83)は認知症で施設に入居している。奪われた年金は社保庁から補償されたが、母親はそれすらも認識できない状態だ。
宙に浮いた年金記録は、コンピューター入力後の約5095万件の他、未入力の1430万件の存在も判明している。1954年までに厚生年金を脱退した人の記録で、社保庁はマイクロフィルムに転写したまま、オンライン化を終えた86年以降も放置していた。元社長の父親の記録もこの中に埋もれていた。元社長は「古い記録の発見や改ざんは職員にしかできない。本人も家族も知り得ず、氷山の一角ではないか」と話している。
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社会保険事務局の元職員が宙に浮いた他人の年金記録を父親の記録に統合して年金を不正受給していた事件で、被害者の遺族が「悔しい」と毎日新聞の取材に証言した。遺族は「社保庁のずさんな記録管理と、申請しなければ受給できない『申請主義』が不正の温床になっている」と憤っている。
事件は、元愛知社会保険事務局中村社会保険事務室職員、服部達郎受刑者(53)=詐欺罪などで実刑確定=が91年、自分の父親と同姓同名の受給者を職場の端末で検索。1歳年下の男性の厚生年金記録46カ月分が宙に浮いていることに気付き、男性の記録を改ざんして父親の記録に統合。99年に父親が死亡した後、母親を受給者として遺族年金をだましとった。昨年4月に発覚し逮捕され、不正受給は時効分を含めて老齢年金と遺族年金計310万円とされる。
証言したのは、男性の息子で愛知県七宝町の元会社社長(53)。元社長によると、父親は地元特産品・七宝焼の絵付け職人で、工房で加入した厚生年金のみ受給し、89年に死亡した。ところが詐欺事件の捜査で、1942年6月〜46年2月、軍需工場に勤めていたことが分かった。この間3年10カ月分の納付記録を服部受刑者に奪われていた。
元社長は「小学生の時、自転車で工場近くを通ると、父が『ここで働いとった』とつぶやいた。それ以上何も言わなかった。父なりの戦争への思いを感じ、事件まで誰にも父の工場勤務について話さなかった」という。
遺族年金受取人の母親(83)は認知症で施設に入居している。奪われた年金は社保庁から補償されたが、母親はそれすらも認識できない状態だ。
宙に浮いた年金記録は、コンピューター入力後の約5095万件の他、未入力の1430万件の存在も判明している。1954年までに厚生年金を脱退した人の記録で、社保庁はマイクロフィルムに転写したまま、オンライン化を終えた86年以降も放置していた。元社長の父親の記録もこの中に埋もれていた。元社長は「古い記録の発見や改ざんは職員にしかできない。本人も家族も知り得ず、氷山の一角ではないか」と話している。
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