2月23日15時34分配信 産経新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090223-00000580-san-soci

 年金については読者から、「支払った保険料が給付額に反映されているのか」「過払いの気がする」などのお便りが、しばしば寄せられます。今回はこうした声を取り上げます。生年月日によっては、年金の保険料を40年間支払わなくても満額の老齢基礎年金が受け取れます。こうした人が60歳まで保険料を納めた場合、保険料が“払いすぎ”になるケースもあるようです。(佐久間修志)

 大阪府の矢沢恒さん(68)=仮名=は、保険料の過払い分返還を拒否する社会保険事務所からの通知に、「今でも納得できない」と憤る。

 矢沢さんは18歳で証券会社に入社。服飾関係の会社を経て、27歳からは酒店に勤め、そのまま開業した。酒店に勤めてからは、国民年金の保険料を納めた。「自分の保険に対する意識がそれほど高いとは思わないが、義務感もあって、切れ目がないようにしてきた」

 ところが平成12年、偶然目にした新聞記事で、生年月日が大正15年4月2日~昭和16年4月1日までの人は、国民年金が40年よりも短い加入期間で「満額」もらえることを知った。記事では、昭和16年2月生まれの矢沢さんは、39年分払えば満額の計算だ。

 矢沢さんは当時59歳と5カ月。20歳からカウントすると考えれば、約半年もオーバーしている。慌てて、役所の年金担当に確認したが、職員は「39年以上支払った分は、年金には反映されません。保険料もお返しできません」と取り付く島もなかった。

 銀行引き落としを止めた矢沢さんだが、保険料の過払い分があきらめ切れない。とうとう厚労省にも質問状を送った。そうしたところ、返ってきたのが冒頭の回答だった。

 「年齢による短縮規定を作ったのは厚労省のはず。彼らはなぜ、満額になっても当事者に知らせないでいるのでしょうか。規定を知らずに払い込んでいる人は多いはず」という矢沢さん。「それを知らせないなんて、なんだか、詐欺的行為にあったような気がします」

                   ◇

 ■生まれ月でできる“端数”

 一般的に公的年金は、保険料を20歳から60歳までの40年間(480カ月)納めると、65歳以降、老齢基礎年金を満額(年額79万2100円)、受け取ることができる。480カ月は「加入可能年数」と呼ばれるが、大正15年4月2日~昭和16年4月1日までに生まれた人は、この加入可能年数が短い。

 こうした措置の背景には、国民年金制度の開始が昭和36年4月という事情がある。それ以前に20歳になった人は、同年以降、保険料を納め続けても、60歳までに40年の加入期間を満たさないため、加入可能年数が短く設定されているのだ。この設定により、60歳まで保険料を支払えば、満額支給に必要な年数を満たすことになる。

 しかし、この措置の対象者は、生まれ月にかかわらず、昭和36年4月納入分からが国民年金の加入期間としてカウントされるため、生まれ月によっては60歳まで保険料を支払うと、支払期間に月単位の“端数”が生まれる。

 昭和16年2月生まれの矢沢さんは、加入可能年数39年。だが20歳2カ月だった昭和36年4月から60歳まで保険料を支払うと、加入期間は39年10カ月となる。実際に39年に達するのは59歳2カ月。それまで保険料を支払えば、65歳から老齢基礎年金が満額、支給される=図。加入可能年数が同じ39年でも、昭和15年4月生まれの人なら、60歳まで支払っても“過払い”は生じない。

 厚生労働省年金課は「支給額が“満額”となるには、60歳までに加入可能な全期間で、保険料が支払われることが条件。加入可能年数はそれを反映したもの」として、あくまで60歳までの加入義務を強調するが、社会保険労務士の中尾幸村氏は「60歳まで支払うことが、満額受け取れる条件としては望ましいが、加入可能年数を1カ月単位にするなど、制度設計としては細かな設定が必要ではなかったか」としている。
スポンサーサイト

 ←応援クリックお願いします!


今すぐチェック!
↓↓↓
2009.02.24 Tue l 年金 l top ▲