10月5日12時27分配信 Business Media 誠

ちきりんの“社会派”で行こう!:これからの日本はどんどん「お年寄り天国」になると思います。否定的な意味ではありません。ちきりん自身も将来のお年寄りなので、お年寄り天国に期待しています。

 「これからは医療費は上がるし、年金も切り下げられる。何でお年寄り天国なんだ?」といぶかしく思われるかもしれませんが、ちきりんは、今後の日本はお年寄りにとってより住みやすい国になると確信しています。

 理由は「これから急速にお年寄りが増えるから」です。

 総務省の人口推計月報によると、2009年9月現在、65歳以上の人口は2895万人、総人口に占める割合は22.7%です。国立社会保障・人口問題研究所では、5年以内に人口の25%が65歳以上になると予測しています。60歳以上ならもっと多いし、消費人口に占める割合では30%を超えてくるでしょう。

 そんな状態になれば「すべての企業にとって、最も重要な顧客はお年寄りである」という時代がやってきます。利益を追う企業は、当然“お年寄りが気に入るもの”を競って開発し、“お年寄りに気に入ってもらうためのマーケティング”を開始するでしょう。ここのところ新聞の活字が大きくなっているのはそういう流れの1つです。

 独身女性のマンション購入理由として、「年を取って独り身だと、賃貸の部屋が借りにくいから」とよく聞きますが、これも今後急速に変化するのではないでしょうか。若者人口が減って空き室が増えれば、「独居老人の方に、こーんなに便利なアパートです!」「お年寄りの方に入居特典付き!」みたいな物件が出てきてもおかしくありません。

 なぜなら総人口の4分の1が老人になる上に、彼等の中には若い人よりお金を持っている人も多いからです。若者にはニートや低所得のワーキングプアが増える傾向にあり、所得は減少傾向です。そうなると「お金持ちの半分はお年寄り」になるかもしれず、これからの日本ではお年寄りを無視した商売は成り立たなくなると思われます。

 「DVDやPCの使い方が難しすぎる!」とお悩みの方、安心してください。今後はきっとお年寄りにやさしい“楽々操作”の製品が増えてきますよ。より性能の高いPCより、トラブルが少なくシンプルで分かりやすいPCの方が、企業にとって重要な戦略商品になるかもしれません。携帯電話市場ではすでにそういう商品が売れ筋の1つとなっています。

 「年をとって独り身だったら買い物にも困る」「夫に先立たれたら海外旅行もできない」なんて心配する必要もありません。個人への配送を行う店や、一人暮らしのお年寄りのための趣味ビジネスも増えると思います。あまり考えたくもないですが、「独居老人、日々生存確認サービス」みたいなものも出てくるかもしれません。コンサートでも「スタンディングオベーション禁止エリア」ができたりね。

 今は企業のWebサイトの文字は小さいですが、市役所のWebサイトの福祉関連ページは文字が大きいところも多いです。これからは企業のWebサイトもそうなるでしょう。株式投資をする人も商品を買う人も「半分は老眼」になるんだから。

●お年寄りにやさしい国、日本

 資本主義って偉大です。規制やお役所が邪魔さえしなければ、ニーズのあるところに新事業は生まれます。また、これらのビジネスは“大金持ちのお年寄り”向けではなく、より数の多い“一般のお年寄り”をターゲットにして開発されるでしょう。

 どうやって低価格化するのかって?

 日本は何でも高スペックで高価格すぎるんです。米国ではDVDプレーヤーの売れ筋価格は日本よりかなり低いです。日本人は「いいもの」を欲しがりすぎる。でも、年をとったら、そんな複雑な商品は要らないでしょ。簡単操作でシンプルで安いモノ、そして大きな文字で書いてある説明書が付いてくるようなモノ。すべてに“ほどほどの品質でほどほどの値段”という市場が現れると思います。

 そういえば最近は、駅などにエレベーターの設置が進んでいます。「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」(通称、バリアフリー新法)が2007年に施行されたことから、公共交通機関は足腰の弱いお年寄りがスムーズに電車やバスを利用できるよう整えることが求められているからです。

 これは国にとっても大事なこと。公共交通機関が利用できれば自分で出かけられるし、働いたり、消費しようという気になる。バスや電車に乗るのが難しくなると、引きこもりがちなお年寄りも増え、ひいては医療費や介護保険の増大にもつながりますから。

 あと、そのうち「電動アシスト自転車」の進化版のような乗り物ができても不思議じゃないですよね。電気自動車と電動車いすと電動アシスト自転車を混ぜて3で割ったみたいな商品。そして歩道の横に「お年寄り用電動車いす専用道路」ができるとか。

 だって町を出歩く人の半分が「足腰が弱っている人」になるかもしれないのです。反対に歩道橋みたいに、お年寄りに厳しいものは消えゆく運命にあるでしょう。

 飛行機も今は「小さなお子さま連れのお客様」は優先搭乗できますが、「70歳以上の方の優先搭乗」が始まるのも、そう遠くないんじゃないの?

 実際、日本は今どんどんお年寄りにやさしい街になろうとしています。それは、インドや中国に行くとよく分かります。ああいうお年寄りの比率が低い国は、今はまだバリアフリーにお金を使うよりは、新しいビルや大型施設を建てるのにお金を使いたいという経済ステージにいます。

 若い人は気が付きにくいかもしれませんが、エレベーターやスロープが増え、宅配をするスーパーも増えている。日本の街作り、ビジネスの作法は大きく視点が変わりつつある、と最近よく感じるちきりんでした。

 というわけで、これからお年寄りの方は安心して老後を迎えてください。

 そしてすでにお年寄りの方は?……長生きしてください!

 そんじゃーね。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091005-00000025-zdn_mkt-bus_all
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2009.10.07 Wed l 年金 l top ▲